飲んで、温度を変えて、肴と合わせてみる。そうしないと、自分の好みは分かりません。
だからこの店では、選び方から出し方まで、決めていることが3つあります。
どれも、はじめての方が迷わずに一杯目を決められるようにするためのものです。
こだわり01
肴は、魚と出汁から始めます
魚は毎朝、八王子の市場の仲卸2軒から。
決まった魚を頼むのではなく、その日に良いものを選んでもらう形で、付き合いが長い分、うちの味付けに合う魚を分かってくれています。
出汁は昆布と鰹で毎日、その日に使う分だけ引きます。理由は単純で、うちの肴は味付けが薄いから。
薄い味付けは、素材と出汁が良くないとごまかしが利きません。
だから、酒の邪魔をしない肴は、材料から始めるしかありません。金目鯛の煮付けも煮汁は薄めにして、身の味で食べていただいています。
自家製の塩辛も、燗に合わせて塩は控えめです。素材の味が立つ分、お酒がすすみます。

こだわり02
同じ酒を、3つの温度で
味付けは引き算です。塩と出汁を基本にして、砂糖やみりんで厚化粧をしません。
肴の味が口に残りすぎると、酒の味が分からなくなるからです。
燗は1本ずつ、湯煎でつけます。レンジや燗の機械は使いません。手間はかかりますが、湯煎のほうが酒の角が取れて、香りがふくらみます。
酒ごとに合う温度も違うので、ぬるめにする酒と熱めにする酒を分けています。
温度が変わると、同じ1本がまったく別の顔になる。
それを確かめてほしくて、同じ酒を冷や・常温・燗の3つの温度で頼める形にしました。飲み比べて、お好みの温度を見つけてください。

こだわり03
伺うのは、好みをひとつだけ
カウンターは木の一枚板で、7席だけ。席の間をゆったり取ったのは、おひとりで来られた方に、隣を気にせず飲んでほしいからです。
お酒の名前は、並べません。伺うのは、すっきりした味がお好きか、味のあるほうがお好きか。
それだけ教えていただければ、あとは2〜3本に絞ってお持ちします。
話しかけるかどうかを決めるのは、お客様のほうです。
静かに飲みたい夜は、その時間をこちらも守ります。1杯目から締めまでの2時間も、仕事帰りに2杯だけの夜も、どちらも歓迎です。
「熱燗が苦手だったのに」と笑う方が、ときどきいらっしゃいます。そんな夜がひとつ増えるのが、この店のいちばんの楽しみです。

スタッフ紹介
店主|佐野 航
八王子市の生まれです。21歳で市内の酒販店に入り、配達と店頭販売、後半は日本酒の仕入れを任されて12年働きました。
在職中に唎酒師の資格を取り、開業前の2年間は市内の割烹で夜だけ修業させてもらいました。
2020年にこの場所で店を開けて、今年で6年目です。肴は今も全部、自分で作っています。
酒販店でいちばん多く聞いた言葉は「日本酒はよく分からない」でした。
ラベルを見ても、味は分かりません。
だから、詳しくない方ほど来てほしい。銘柄の名前は覚えなくていい。
「この前のあれ、また」で通じる店にしています。


お品書き

店舗情報
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